お口の病気って、むし歯や歯周病以外にも、粘膜疾患等いろいろあります。
今回はその一つ、白板症についてです。
白板症とは、お口の粘膜に白く板状・斑状にできた病変で、前癌病変です。
前癌病変とは、将来癌細胞に悪性変換する可能性を秘めた病変で、
白板症の癌化率は4.4%ー17.5%と報告されています。
白板症の中でも、組織診断で、軽度・中等度・重度と分類され、
重度だと癌化率は高く、もしくはすでに癌であるケースもあります。
治療法は、まず、組織診断(生検)をする、つまり局所麻酔をして、一部もしくは全部切除し、
顕微鏡で細胞を調べます。そして、重度であった場合、追加で切除手術を行ったりします。
見た目に明らかに軽度な場合は、生検をせず、定期的な経過観察のみ行うこともあります。
ただ、どちらにせよ、癌化率が4.4%ー17.5%という数字は、決して低い値ではないので、
お口の中で、白かったり、ただれている状態が発見されたら、すぐ受診されることをおすすめします。
松本歯科医院では、検査・手術が必要な場合、大阪大学歯学部付属病院をはじめ、徳洲会吹田病院・済生会吹田病院と連携しております。
引用元:医歯薬出版 口腔外科学 宮崎正 松矢篤三